ご無沙汰しております。潜り鉄です。
連休が明けてからまだ潜っていませんが、ここはせっかくなので過去の記憶でも掘り出そうと思いました。
こうして出てきたのがまさかの海外版潜り鉄で、なんとスペインです(笑)。
情熱の国なんて呼ばれたりするスペインは東側と南側を地中海に面しており、夏はとにかく暑いので真っ青な地中海に飛び込むのはこの上なく気持ちいいです。
そして地中海がとにかくきれい....なのですが今回は登場しません。
スペインの首都マドリードをガン無視する夜行列車で北西部の大西洋側に出ます。
首都ガン無視の夜行列車:バルセロナ~ビーゴ/ラ・コルーニャ
今回乗車したのはバルセロナ(サンツ)発ビーゴ/ラ・コルーニャ行きの夜行列車「Tren Hotel」です。
この夜行列車は日本で例えれば在りし日の「日本海」のような要素があるかもしれません。
それでは早速見ていきましょう!
ちなみに乗車したのは2018年7月で、2023年6月現在において運行は既になくなっていますが、マドリード~リスボン間で同様の列車の運行があります。
運行概要
この夜行列車は途中のサラゴサ(バルセロナとマドリードの中間の都市)まではマドリード行の列車と同じルートをなぞります。
マドリードへ向かう場合はサラゴサから南西へ向かいますが、この列車は問答無用でそのまま北西へ向かいます。そう、首都マドリードはガン無視です(笑)。
バルセロナがフランス国境まで電車で2時間かかるかかからないくらい北の位置にあるのでマドリードを経由すると反って大回りになってしまいます。
なお、この列車は途中でビーゴ行とラ・コルーニャ行の切り離しを行います。日本ではサンライズ出雲・瀬戸で見られるイベントがここでは客車バージョンで見られるので筆者みたいな鉄道好きには堪らんのではないでしょうか。
今はもう運行がなくなっていますが.....。
座席事情
この列車の座席クラスは2択です。
1つ目はPreferenteで、日本でいうところのグリーン車に相当します。「いきなりグリーン車!?」なんて思われるかもしれませんが、あくまでも寝台ではなく座席です。
とは言ってもシェル型でシートピッチも飛行機のビジネスクラス並みに広いのでフルフラットとまではいかなくても遠慮なく限界までリクライニングできます。
2+1の座席配置なのでソロ旅の場合は1人掛けを確保すると隣を気にしなくていいのでおすすめでした。(過去形であることを強調しておきます)
(これが昼行列車にも充当されていたらどれだけ快適なことか......)
2つ目は寝台です。筆者は寝台は利用していないので詳細は正直のところ分からないですが、2段ベッドのコンパートメントになっていました。
実際に乗ってみた感想
筆者はサラゴサに用事があったのでバルセロナからではなくサラゴサ(デリシアス駅)からの乗車でした。(乗車したのは座席車でした。)
サラゴサ近辺は基本的にヨーロッパにいるとは思えないような砂漠のような荒々しい景色が広がっていますが、夜間の乗車なので真っ暗で分かりません。地中海沿岸部からマドリードにかけても似たような景色が広がっていることが多いですね。
しかし夜が明けて目が覚めたらあら不思議、まるで国が変わったのかと思うほど景色が様変わりしているではありませんか!
森に覆われた渓谷を走っていたかと思えば一面ブドウ畑になったり......そして再びうたた寝をして意識が戻るといつの間に入り江に沿って走っていました。なるほど、終着はもうすぐですね。
実際に乗ってみた感想ですが、乗り心地としては座席車については夜行バスよりは遥かに快適でした。しかし、質の良い睡眠を確保するならやはり横になれる寝台には勝ち目がありません.....。
それと余談ですが、ビーゴ駅はカーブのある頭端式ホームになっており、函館駅と雰囲気が似ています(笑)。
スペイン北西部の最大都市ビーゴと対岸のカンガス
終着のビーゴには着きましたが、実際に潜りに行くのはビーゴから入り江を挟んで反対側にあるカンガスという町です。
潜る前に2つの街/町をおさえておきましょう。
スペイン有数の水産都市ビーゴ
ビーゴはスペイン北西部に位置するガリシア州の最大都市で、同国最大規模の漁港を持つなど、水産業が基幹産業となっています。簡単に言い換えると、美味しい海産物がいっぱい食べれるということですね。
特にムール貝の生産は同国トップクラスで、市内で日替わりランチを頼んだらしれっと登場するほどです。
前項で駅の雰囲気が函館に似ていると言及しましたが、駅に限らず坂道が多いところもある意味函館に似ているかも(笑)。城跡に登れば川なのか海なのか分からない深く青い入り江の眺めを満喫できること間違いなしです。
ちなみにビーゴを含むガリシア州は冷涼湿潤で、夏でも最高気温は25℃以下、夜間は10℃台かそれ以下まで下がります。
入り江は挟んだ対岸はのんびりとしたカンガス
ビーゴからフェリーで対岸へ向かうとカンガスという町に着きます。町自体はのんびりしていますが、まるでカリブ海にでもいるのかと思うような青松白砂なビーチが海水浴客の人気を集めています。水温は20℃もあるか怪しいですが(笑)。
ビーゴほど目立った観光スポットがあるわけではありませんが、時間が止まったような灰色の旧市街は散歩していて楽しいです。
あと、食費がビーゴより比較的に安かったような....。9ユーロだったか10ユーロだったかの日替わりランチでビール、カレイの塩焼きみたいなもの(フライドポテトとサラダつき)、ムール貝のワイン蒸し、デザートが出てきたときは衝撃でしたね。
夜はビール2本とコロッケとパンをお替りしまくって、時々プラスアルファでなんか頼んで20ユーロいってたかいってなかったか.....。
カンガスで2ダイブ!見どころはムール貝をはじめ盛沢山でした!
結論から言えばここはまさしく「北の海」ならではの光景が見られる素敵な場所でした。
今回は2ダイブ潜ったので1ダイブずつ見ていきましょう。ちなみにカンガスでのダイブスタイルは全てボートで、干満の差が激しいのでエントリーはだいたい午後です。
そしてダイビングログに入る前に....7月末でしたが水温は13℃、ウェットスーツで強行したら死ぬかと思ったので大人しくドライスーツを着用しましょう(笑)。
1ダイブ目:ムール貝の養殖棚
日本では宮城県などで牡蠣棚ダイビングができますが、ここではそのムール貝バージョンが楽しめます。
入り江は栄養分が豊富なので透明度は10mにも満たないぐらいですが、ムール貝の養殖棚の中は深度10mから水面までなんとか見える程度にきれいでした。(さすがは天然のろ過装置....)
数珠繋ぎになっているムール貝はとにかく圧巻です。これはスペイン北西部で潜られる際にぜひ見ていただきたい光景です。
養殖棚には他にも養殖棚を隠れ家のように使う小魚やアジの群れなども見られました。
2ダイブ目:それは開いた口が塞がらない光景で....
2ダイブ目は海藻のジャングルを攻略しました。緑がかっていましたが、8mは見えていたと思います。
海藻の森を覗けば小魚が隠れていたり、色鮮やかなウニが食事していたり.....それにしても真っ黒なクモヒトデが葉にびっしりついているのを見たときは心臓が止まるかと思いましたね(笑)。
ただこれはまだ序の口で、5分後は開いた口が塞がらずにレギュレータすら外れてしまっていました。
水底が一面クモヒトデで埋まっていたのです.....。しかもサメが一部クモヒトデに覆われた状態で寛いでいて突っ込む気も失せました(笑)。
今思えばワイドレンズがあればより生々しくも圧巻な写真になったのだろうと思うわけです。あのクモヒトデたちは元気にしてるだろうか.....(笑)。
ちなみにエグジット直後にイルカにエスコートされました。
スペインに来たらぜひカンガスでムール貝ダイビングを!
今回はスペイン北西部への潜り鉄記録を掘り出してみました。
クモヒトデはさすがに好き嫌い分かれると思いますが、数珠つなぎになったムール貝は圧巻なので是非とも見ていただきたいです!
ダイビングが終わったら死ぬほど空腹になっていることを保証します(笑)。
当時はOllo do Marというダイビングサービスにお世話になっていましたが、コロナの影響を食らったのか現在は営業していない模様なのでCiesubに当たってみるのが無難でしょう。
さて、しばらく潜る予定がないのですが次回はいかがしましょうか.....。
あ、相鉄の出番が来るかもしれません.....。